孤立することのない環境づくり

数年間ひきこもり状態であった方にお話を聞くと、大多数の方が過去に公的機関等が実施するひきこもり支援を受けたことがあると回答します。しかし、現在も支援は継続中か聞くと、一部、今では連絡を取っていないと言います。

その結果、現在は誰とも接点を持たず孤立しているひきこもりの方が存在します。

 

ひきこもりはその性質上、当事者及び家族も外部に相談しにくいところがあり、管轄する自治体等へ当事者及び家族からの相談が無いために、顕在化せず埋もれたままのひきこもり状態の方が存在します。ひきこもりであることを認識されていないために存在しないものとされ、支援の需要度が低いと判断されている場合があります。

また、一度相談したが関係が上手くいかず関係が途切れ、支援担当からの連絡も無くなり、その後は他の支援機関にも相談していない。このケースも多く、現在の状態について誰一人把握していないといった状況が見受けられます。

 

我々はひきこもりの全てにおいて支援の必要があるとは考えていません。

経済的に問題無く、他者との交流もサイバーを活用して世界中の人と関わりを持っている。そういった所謂積極的ひきこもりについては、本人の意思を尊重すべきと考えます。しかし、当事者本人が現在の状況に苦しんでおり、どうにかしたいと望むのであれば周りが手を差し伸べる。本人に寄り添う支援を今後も継続したいと思っています。

 

まずは相談することが大切であると考えます。

一つの支援機関との関係が上手くいかなかったのであれば、別のところに相談する。それでいいと思っています。

行政機関、福祉機関、民間支援団体。 どの入口から相談しても、決して支援が途切れることなく寄り添ってくれる。そんな支援体制を構築していく必要があると考えています。

Writer:柴犬 

この活動は、赤い羽根新型コロナ感染下の福祉活動応援全国キャンペーン「居場所を失った人への緊急活動応援助成」によって実施しています。赤い羽根共同募金にご協力してくださった皆様、多大なるご尽力を賜りまして、誠にありがとうございます。